2008年07月12日

サリンジャーのあの少年

このあいだ観た「スカイ・クロラ」のジャパンプレミアは、初の東京国際フォーラムだし、押井守の新作で、監督自身もステージで挨拶するし、しかもまだ公開されてない試写会っていう期待感もあいまって、とても面白かったんだ。
森博嗣の原作も今読んでいる最中。
もう7〜8割がた読んだかな。

この本、文体はサリンジャーみたいで、淡々としているんだけど、主人公を囲む環境や出来事に対する鬱々とした感情をとてもゆるやかに吐露していくんだ。
主人公達の会話はウィットに富んでいて、まわりくどく、
「カンナミっていう人……、食堂にまだいる?」
「あ、いえ、もういない……と思うけど」
「じゃあ、部屋に帰った?」
「いえ、まだ……だと」
「もしかして、あんた? 酔っているね?」
「酔ってはいるけれど、でも、僕がカンナミだよ」
「どうして、最初から言わないの?」
「きかれなかったから……」
大体こんな調子さ。
句読点が多くて、エクスクラメーションなんて出てきやしない、ゆるい時間の流れを感じながら行われるこうした「のらりくらりした」やりとりも、彼らのやるせない心情の現れだと思うと、風呂で湯船につかってぼーっとしている時間のような、妙な味わいがあって面白い。
実際、「スカイ・クロラ」の各章の冒頭にはサリンジャーの「ナイン・ストーリーズ」の文章が英語と日本語訳で引用されていて、つまり、こののらりくらりした語り口はサリンジャーを本家取りしているというわけだ。
「ライ麦畑でつかまえて」は昔一度だけ読んで、ものごとをとにかくものすごくナナメに捉える主人公の、それこそ死ぬまで延々続くんじゃないかと思えるおしゃべりに辟易したきりだけど、「スカイ・クロラ」を読んでいるうちに、サリンジャーにもう一度触れてみたくなったんだな。

"つまるところ、僕は崖の上のライ麦畑で、走ってくる子供をつかまえるような、そんな人生を送りたいんだよ。"

そんな風なことを言うホールデン・コールフィールド少年のおしゃべりを、つまるところ、もう一度聞いてみようかという気になったんだよ。

そう、ちょうどこんな風にしゃべっていたな、僕にしてみりゃ「どうでもいいじゃないか」と思えるような話を延々と、くどくどとね。

Posted by tatsu at 13:10 | Trackbacks [0]

2008年07月03日

キューティーハニー


かわいい。

なんかしらんがかわいい。

ボーイとおっさんの表情の差が絶妙。


東京メトロの各所で見られる「家でやろう」シリーズには、かならずこのおっさんがいます。

「電車の中で迷惑している大多数のAさん」のメタファーなのでしょうが、
どうにも、おっさんはちょっと楽しんでいるように見えてしかたないのです。

絶妙なユーモアのベール。

Posted by tatsu at 17:27 | Trackbacks [0]